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【知っトク!】消防設備士甲種4類の実技試験の合格のコツ・製図対策

【知っトク!】消防設備士甲種4類の実技試験の合格のコツ・製図対策
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こんにちは現役消防設備士のあきです。
今回の記事では消防設備士甲種4類の「製図対策」について攻略のコツを紹介いたします!

初心者にとって、甲種消防設備士の資格の取得は大変といわれています。
なぜなら、甲種には実技試験問題に製図が含まれるからです。
普段、見慣れない図面に苦戦するかたが多いですね。

製図問題は自動火災報知設備の工事にかかわるため、甲種にしか出題されません。
しっかり理解して挑まないと、製図問題のせいで点数が足りず不合格になる恐れがあります。

実際の仕事では図面を確認することが多くありますので、製図を理解して実務にも生かしていただきたいです。
まずは製図が書けるまで、くり返し練習をしましょう。

私は、自動火災報知設備の工事の資格が欲しくて、一生懸命勉強しました。
毎日コツコツ勉強に取り組むことで一発合格できました。
この記事では製図のコツや注意点を中心に記事にしましたので最後までご覧いただけると嬉しいです。

それではいきましょう。

01.資格試験に対するモチベーション問題

資格試験の勉強で一番の問題は、モチベーションが上がらないことです。
大人になってからの勉強はなかなか大変ですよね。
モチベーションを上げる大事なことは3点あります。

  • 毎日コツコツ継続する
  • 決めた時間に行う(習慣化)
  • ゴールを設定する

それぞれみていきましょう。

毎日コツコツ継続する

私を例にすると、毎日コツコツ勉強することがモチベーション維持のポイントになりました。
1日5分、参考書をパラパラ眺めるだけでもいいです。大事なことは試験問題に毎日触れることです。
継続して参考書を読んでいると、どこかのタイミングで気分が乗ってきます。
その時に1時間でも多く勉強することで記憶を定着させ、質の高い勉強ができるでしょう。
毎日少しの時間、コツコツ勉強することが合格への近道です。

決めた時間に行う(習慣化)

決めた時間に勉強し、習慣化することで意識が変わります。

私の場合は、

  • 昼食後の10分間、参考書を流し読みする
  • 寝る前の22時から30分以上問題を解く

というルールで習慣化していました。

時間を決めて勉強することで「そろそろやるか〜」という気持ちになります。

また、朝に勉強する朝活もおすすめです。
朝は1日の始まりのため、余計な考えがなくスッキリと勉強ができます。

自分で決めた時間に勉強して習慣化できれば資格の合格も難しくありません。

ゴールを設定する

ゴールや目標を持つことは、モチベーションが上がるのでおすすめです。

具体的な目標は、「資格を取ったら何をしたいか」です。

例えば、

  • 資格を取ったら工事を一人で任されたい
  • 資格がないので、他の設備士の名前で仕事をするのが嫌だから、早く資格が欲しい

などがあるかと思います。
責任感の強い方が目標をかかげて試験に挑むと合格率が高いですよね。それはこういった理由があるのだと思います。

また、甲種4類は資格手当を付けてくれる会社がほとんどです。
給料アップも目標の一つです。
毎月の給料が上がると少しだけ生活に余裕が生まれますね。

目標を持って資格勉強をすることが1番有効でおすすめです。

02.製図を攻略する重要性

消防設備士甲種4類の資格試験は筆記試験と実技試験に分類されます。
筆記試験は各科目40%以上※、実技試験と合わせて全体の60%以上の正解率で合格となります。
※筆記試験は各科目40%以上、全体で60%以上の正解率。

そして、実技試験の中にも「鑑別問題」と「製図問題」に分類されます。
どちらも理解しないと合格基準点の60%以上を越えることは難しいです。

製図問題は内容を理解しないと合格することはできませんし、実務に直結しています。
実際の仕事で必要になる製図の知識は以下のものです。

  • 図面を見て感知器の配置
  • 警戒区域の間違いの指摘

これらは資格の知識がなければ考えることが難しいです。

消防設備士甲種4類の製図は合格に必須であり、実際に必要な知識が多くあります。

03.製図の難易度

製図の難易度は高いと言われています。
普段の日常生活で図面に触れることがないため、慣れるまで時間がかかるのです。

製図の問題は「平面図の完成」と「系統図の出題」に分かれます。
平面図は建物を上から見た図面となります。
系統図は建物の断面で見た図面です。
それぞれ間違えやすいポイントがありますので、これから説明していきます。

04.【問題攻略①】機器の選定や配置

平面図や系統図を作成するのに大事なことは以下のようなものがあります。

  • 感知器ごとの警戒面積を理解する
  • 機器ごとの水平距離を理解する
  • 無窓階の条件に注意

それぞれ解説いたします。

感知器ごとの警戒面積を理解する

部屋や廊下に設置する感知器は警戒面積があります。
試験に出題される内容は、耐火構造で天井高は4m以下が多いですね。

その場合、感知器の警戒できる面積は
差動式スポット型感知器は70㎡
定温式スポット型感知器60㎡
光電式スポット型感知器は150㎡


最低限これだけ覚えておけば大丈夫です。
実務経験では、新築や増築の自火報の機器の設置をする場合に、感知器の警戒面積を算出します。
建物の検査に通らなくなるので、警戒面積を理解することは非常に重要です。

機器ごとの水平距離を理解する

製図試験で水平距離を注意しなければならないポイントは、発信機と地区音響装置(地区ベル)です。

発信機・・各階ごとに歩行距離50m以内に1個設置が必要
地区音響装置・・各階ごとに水平距離25m以内に1個設置が必要


建物の廊下や共用部分に発信機と非常ベルの設置が必要です。
階の感知器の配線がスタートするところなので覚えておきましょう。

無窓階の条件に注意

無窓階であれば、感知器は光電式スポット型を設置しなければいけません。

差動式や定温式などの熱感知器を選定すると不正解になりますので注意が必要です。
試験では無窓階であることが問題文に記載してあります。しっかり問題を読んで読み飛ばすことがないように気を付けましょう。

ちなみに、無窓階の定義は筆記試験の1問目に必ず出題されます。甲種1類から乙種7類までどの資格でも出題されます。下記の文面を1語1句覚えておきましょう。

’’無窓階とは、建築物の地上階のうち、規則第5条の2で定める避難上又は消火活動上 有効な開口部を有しない階をいう。(消防法施行令第10条第1項第5号)’’

05.【問題攻略②】平面図(配線の流れ)

平面図における簡単なミスとして、以下のようなものがあります。

  • 感知器を飛ばしてしまい、図面上で配線が繋がっていない。
  • 送り配線の表示がない

それぞれ見ていきましょう。

感知器を飛ばしてしまい、図面上で配線が繋がっていない。

製図では平面図に感知器や配線を書き込む問題が出題されます。
簡易的なミスとして挙げられるのが、感知器を飛ばしてしまい線が繋がっていない状態です。
間違えやすいポイントは廊下に設置する光電式スポット型感知器の接続が挙げられます。
面でいうとこちらです。

廊下の光電式スポット型感知器が接続されていません。
部屋の中をぐるりと配線を回して、廊下の感知器を忘れてしまうミスです。
正しい配線図はこちらです。

廊下の感知器も正しく接続されていますね!

接続忘れの改善策は、廊下も部屋として認識することです。
部屋で差動が1個、廊下で光電が1個・・・と頭で記憶していくと感知器を飛ばすことはなくなります。
製図が完璧に作れると試験もかなり余裕ができます。
何度もくり返し練習して合格を目指しましょう。

送り配線の表示がない

感知器の配線は4芯または2芯で送り配線になっています。
感知器の線が途中で切れても、受信機に断線表示が出ていち早く異常を察知できるようになっています。
実際に感知器は送り配線で施工します。送り配線を理解していないと現場では苦労します。

製図試験では配線が「2芯」か「4芯」かを記す必要があります。
配線の種類が違うと終端抵抗器を付ける場所も変わるため2芯と4芯の記述を忘れると、重大なミスになりますので気を付けましょう。
2芯と4芯のシンボルは下記になります。覚えておきましょう。

06.【問題攻略③】系統図

系統図は建物を断面で見た時に把握できる図面です。
系統図の大事なポイントは以下のものがあります。

  • 配線の種類と本数を理解する
  • 配線の本数から受信機の大きさを選定する

それぞれ解説いたします。

配線の種類と本数を理解する

系統図で出題される問題は、配線の種類と本数を答える問題がほとんどです。
まずは種類ですが、HIV線とIV線が出題されます。
HIV線・・・耐熱線で主に非常ベルなどの幹線に使用される
IV線・・・一般警報線で主に感知器の線に使用

(現在の施工ではHP線やAE線が主流ですが、試験問題に合わせるため省略します)

配線の本数は図面から判断します。
受信機から各階に配線を送ります。
1階から上の階に送るため、最上階が一番配線の本数が少なくなります。
攻略のコツは、配線を先に決めてしまうことです。
例えば、発信機(A線)は1本、表示灯(P、PL線)は2本、ベル(B、BL線)は2本。
最上階でも本数が変わらず同じ本数が送られます。
変わらない配線を先に決めてしまい、1階から共通線(c線)、ライン線(L線)を落ち着いて必要な数を決めて行けば配線の問題は攻略できます。

配線の本数から受信機の大きさを選定する

甲種の試験で出題される受信機の大きさは「P型1級」と「P型2級」のみです。
(実務ではR型やGP3級などありますが、試験では出題されません)。

選定方法は簡単で、警戒区域が5回線以下はP型2級。警戒区域が6回線以上はP型1級です。
例えば、系統図の図面をみて最上階の警戒数が5以下であればP型2級と回答できます。
以下の画像はP型2級の図面です。

受信機の選定は確認すればいいだけなので、見るべきポイントを意識すれば簡単です。

そしてP型1級の系統図は以下になります。

図面を見ると警戒区域が6回線以上あることがわかります。
受信機の選定の仕方は、最上階の回線数を確認すればわかりやすいですね。
比較的点数の取りやすい問題なので確実に回答しましょう。

まとめ

今回の記事では甲種消防設備士の難関である「製図」について解説いたしました。
甲種1類〜5類まで全ての資格で製図問題がありますが、どの資格もコツは同じです。
毎日決まった時間に参考書を読む、コツコツ勉強するなど、モチベーションを上げて望めば一発合格も可能です。
また、甲種4類の資格を取得できれば仕事の幅が広がります。転職や独立にも必要な資格なので可能性を広げることができます。
独学では不安という方は、甲種4類であればCIC日本情報センターの“現場が忙しい人でも続けられる”受験対策講座がありますのでおすすめです。

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Written by書いた人

あき@消防設備士ブロガー

【職歴】防災会社勤続15年目の会社員
【取得資格】消防設備士甲種1~5類、乙種6.7類、電気工事士2種ほか
◆消防設備のお役立ちブログを運営しています。
「あきブログ」

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