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【消防設備士資格】2大人気の4類6類!とるならどっち?

【消防設備士資格】2大人気の4類6類!とるならどっち?
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消防設備士の資格で人気があるのは甲種4類ですが、乙種6類も人気があります。
資格を取得するのはどちらがいいか、消防設備士15年の私が解説します。

4類といえば、ビルメン5点セットの一つであり取得を求める会社が多く、求人欄でもよく見かけるのではないでしょうか。乙6類は、元ザブングル加藤さんが取得したことでも話題になりましたね。

では、消防設備士の資格をとるなら4類と6類のどちらを取るのが良いでしょうか?

この記事を読むと、4類と6類のどちらの資格が自分にあると良いかわかりますよ。

それでは行きましょう。

01.初心者におすすめ!消防設備士乙種6類

6類の概要は以下の内容になります。

  • 消火器の点検ができる
  • 点検結果報告書の資格者に名前が書ける
  • 消火器の構造を熟知できる

という特徴があります。それぞれ見ていきましょう。

消火器の点検ができる

消火器は多くの人にとって身近に設置されている、大事な消防設備です。

設置基準は建物の用途によりますが、150㎡以上の建物に設置する義務があります。
(飲食店などは面積に関係なく設置が必要)

建物の消火器点検をするには、乙種6類の資格が必要です。
資格がなくても外観点検など軽度な点検はできますが、無資格で内部点検などをすると違反になります。
乙種6類の資格は、消火器の点検ができる大事な証明書です。

6類の責任業務は?

消防署に報告する書類の中に、点検結果報告書があります。
建物の用途によって年1回、もしくは3年に1回の報告書の提出が必要です。

点検結果報告書には、消火器の点検項目一覧が細かく記載されています。
その書類には、有資格者の名前や免状番号、取得年月日などの記載が必要です。
点検結果報告書に資格者の名前がないと受付がされないので、有資格者は重要です。

消火器の使用方法を熟知!

消火器は誰でも使える簡単なものですが、防災訓練や使い方の説明をする立場では使用方法を熟知している必要があります。
内部の薬剤の種類は、粉末やガス、液体など「何が燃えているか」によって有効に使える消火器が変わります。

例えば、ガスの消火器である 二酸化炭素消火器。
二酸化炭素の窒息効果を利用して、火災の元である酸素を減少させ火を消す消火器です。
二酸化炭素は人が吸い込むと苦しいため、密室では使用できません。

そういった知識がないと、消火器を使用する際に二次災害が起こるので、訓練や使い方説明を行い、建物の使用者に周知させなくてはなりません。

以上の理由から、乙種6類の資格保持者は消火器の使用方法を熟知していなければいけません。

02.本気ならこっち!消防設備士乙種・甲種4類

消防設備士4類の概要は以下の内容になります。

  • 自動火災報知設備の点検(工事)ができる。
  • 点検結果報告書の資格者に名前がかける
  • 感知器や受信機の構造がわかる

それぞれ説明します!

4類ができる業務とは?

4類は自動火災報知設備とガス漏れ漏電火災警報設備の点検や整備、工事(甲種のみ)ができます。
自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備は建物の規模が大きくなると設置が必要になります。
消火器の設置基準と比べて、設備が必要な建物は少なくなります。

火災報知設備の受信機や感知器を消防法の点検基準にそって点検できる資格です。

4類の責任業務は?

乙種6類でも解説しましたが、消防に提出する点検結果報告書に資格者の名前が記載できます。
点検結果報告書には責任者として名前が必要です。

消防署に書類を提出して、内容の不備や確認事項があると点検資格者に連絡がいきます。
内容を把握していないと答えられず、不審に思われたりするため、責任もって点検する必要があります。

感知器や受信機の構造がわかる

火災報知器は知識がないと点検中の事故につながります。
中でも一番大事なのが、受信機の操作です。

操作方法が分からないと非常ベルを止められなかったり、建物の人に迷惑をかけたりします。
例えば、火災信号がエレベーターに入って止まってしまったり、電気錠が開いて侵入できたりします。
エレベーターに人が閉じ込められたりすると大事故につながりますよね。
資格勉強で受信機の構造を理解すると、安全に点検できるはずです。


03.そもそも乙種と甲種の違いは?

消防設備士4類には乙種と甲種に分かれますが、甲種では「工事」ができるようになります。

例えば、乙種4類では受信機の交換(工事)はできません。
消防設備の工事用の書類には、工事前に提出する「着工届」、工事完了後に提出する「設置届」があります。
それぞれの書類には消防設備士甲種の資格者の名前が必要です。

乙種と甲種では工事ができる違いがあるため、受験資格※があるなら甲種を取得しましょう。

※受験資格
甲種の資格は誰でも受けられるわけではなく、受験資格が必要です。
◼大学卒業等の資格
◼甲種消防設備士や電気工事士などの資格を持っている
◼実務経験がある方(設備補助5年等)
詳しくは一般社団 法人消防試験研究センターご覧ください。
「受験資格一覧」の中に内容が記載してあるため、ご確認ください。
私の場合は、入社3年目に受験資格となる電気工事士2種の資格を先に取得していたので甲種の「受験資格がある」ことになり受験しました。

04.働き方で考えてみる。どっちが良い?

資格を持っていればどんな働き方ができるのでしょうか。
今回は「6類のみ取得している場合」と「4類のみ取得している場合」をご紹介します。

6類のみ取得している場合

6類を持っていれば消火器の点検ができます。

有名な事例では、お笑い芸人の元ザブングルの加藤さんが消防設備士の乙種6類を取得しています。

加藤さんの本業は芸人ですが、乙種6類の資格を取って隙間時間に副業として消防点検を行なっています。
消防訓練を実施する際にも、お笑い芸人の特徴を生かすと説得力のある訓練ができますよね!
消防設備士の仕事が本業を超えることもあるそうなので、副業でも稼げることがわかります。

また、乙6の資格を持っていると点検の応援に行くことができます。
防災会社では、消火器の点検員を募集している会社が多くあります。
資格を持っていると正社員として採用されやすいため、6類の資格を取得していると有利になります。

4類のみ取得している場合

4類は火災報知機の点検ができます。

4類の資格は活躍の場が広いので、ビルメンや防災会社などに転職が可能です。

ビルメンでは商業施設や公共施設などの火災報知器の仕組みが難しいので、資格があるとより理解できます。
火災報知器の誤作動などにすぐ対応できるため、4類を持っておくと頼りがいがあります。

防災会社では、資格を持っていると法令関係などは理解できてるとみなされ、会社にとって教育が楽になります。
火災報知器の設置基準もわかっているため、即戦力として働きやすいです。

そのため4類の資格を持っていると、就職活動に有利です。
保有資格に4類があると、未経験者でも面接官の印象が変わります。
正社員として働きやすいため、4類の資格はビルメンや防災会社など幅広く活用できるでしょう。

05.挑戦してみよう!難易度はどれくらい?

6類や4類はそれぞれ資格試験を受けなければいけません。それぞれの難易度を紹介いたします。

6類の資格の難易度

6類の試験は、約1ヶ月しっかり勉強すると合格できる難易度です。
はじめに参考書と問題集を購入しましょう。
寝る前の勉強や、朝起きて勉強することをおすすめします。

乙種6類の合格率は43.8%です。(R4年受験分)
引用:一般社団法人 消防試験研究センター
問題範囲は筆記試験が4択のマーク式、実技試験が記述式で出題されます。
問題数は、筆記試験が30問、実技試験が5問あります。

合格基準は筆記試験が科目40%以上、実技試験と合わせて全体の60%以上の正解率で合格できます。

4類の資格の難易度

乙種4類の資格も6類と同じで、約1ヶ月しっかり勉強すれば合格できる難易度です。
法令問題は乙6と同じ範囲の問題が出題されます。

計算問題はオームの法則など、中学レベルの問題が出ます。
復習もかねて勉強すれば簡単な難易度です。

甲種になると難易度が上がります。
なぜなら、甲種4類には製図問題が出題されるからです。
製図が苦手でなかなか甲種が受からない場合、乙種に変更して4類を取得する人もいます。

製図については別記事でコツを紹介しています。詳しくはコチラ▼
関連記事:【知っトク!】消防設備士甲種4類の実技試験の合格のコツ・製図対策

乙種4類の合格率は40.4%、甲種4類の合格率は35.7%です。(R4年受験分)
引用:一般社団 法人消防試験研究センター

製図がある分、甲種の方が難しくなります。
くり返し練習すれば攻略できる内容なので、できれば甲種の資格にチャレンジしていただきたいですね。


まとめ

今回は消防設備士に人気の4類と6類の資格の紹介をしました。

それぞれの資格に特徴があり、今どんな風に働きたいか、将来どんな風に働いていきたいかで資格を取得を考えると良いでしょう。

6類は比較的簡単に取得ができ、消火器の点検といった簡単な業務ができるようになるので、消防設備士としてまず取るにはふさわしい資格です。

4類はできる業務や活躍の場がより広がるので正社員として採用されやすくなります。特に甲種の場合は取得難易度が上がりますが、さらなるキャリアアップが期待できるでしょう。

建築業界では持っておいて損はしない使える資格がたくさんあります。消防設備士の次は電験三種、電気工事士2種などの資格を取ってスキルアップを目指しませんか?
CIC日本建設情報センターでは、現場が忙しい人でも続けられる受験対策講座があります。独学では難しい資格も通信講座なら合格する確率が上がりますよ。
YouTubeで見る対策より、有識者によるアドバイスがおすすめです!

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Written by書いた人

あき@消防設備士ブロガー

【職歴】防災会社勤続15年目の会社員
【取得資格】消防設備士甲種1~5類、乙種6.7類、電気工事士2種ほか
◆消防設備のお役立ちブログを運営しています。
「あきブログ」

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