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【消防設備士】現場で必要な資格や取得のコツなどについて解説

【消防設備士】現場で必要な資格や取得のコツなどについて解説
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消防設備士の仕事に興味があるけど、どんな仕事内容だろうか?
資格の勉強が必要で、取得が難しいのだろうか?

そんな疑問を消防設備士のあきが解決します。
私は防災会社に勤めて15年目の会社員です。消防設備士の資格も全て取得していますが、
消防設備点検は資格がないと点検できない項目が多くあるため資格は必須になります。
資格勉強にはコツがあり、その方法が分かれば取得も簡単になるでしょう。

今回の記事では
・消防設備士として必要な資格の種類
・資格を持つメリット
・資格を取るコツ
などを紹介いたしますので、消防設備士に興味がある方、消防設備士としてキャリアアップしたい方の役に立つと思います!

防災会社の中には工事ばかり行う会社もありますが、今回は点検がメインの会社の内容でお伝えします。
それではいきましょう!

01.消防設備士とは?

はじめに、消防設備士の仕事内容を説明いたします。

  • 消防設備士とはどんな仕事?
  • 日頃の点検業務は?1日のスケジュールを確認

それぞれみていきましょう。

消防設備士とはどんな仕事?

消防法17条3の3に基づく消防点検をする仕事です。
建物の消防設備がちゃんと適切に動いているか、消防法令通りに点検します。
年2回お客様の建物を訪ねて消防点検をさせていただきます。
簡単ですがこちらが消防設備士のメインとなる仕事です。

日頃の点検業務は?1日のスケジュールを確認

では消防設備士の一日はどういう流れか確認していきましょう。

~出社~
朝会社に行き、社内打合せをして現場に向かう。
1日3〜5件のお客様を訪問して消防点検を行う。
(現場の規模や設備内容によって件数は変わる)
夕方会社に帰って売上管理や消防書類作成、見積作成などの事務処理をする。
~退社~

以上が消防設備士の会社のスケジュールになります。

また、お客さまの要望で夜間時間の点検や日曜の休日に点検する場合があります。

02.消防設備士として働く際に必要な資格一覧

消防設備士は資格が必須です。特に必要な資格は以下のようなものがあります。

  • 消防設備士乙種及び甲種
  • 第二種電気工事士
  • 点検資格者一種及び二種

資格は消防設備士にとって一番大事な証明です。それぞれの資格を説明いたします。

消防設備士乙種及び甲種

消防設備士の資格は種類が多く、乙種と甲種にも違いがあります。
消防設備士の資格は1類〜7類に分類され、以下のような種類があります。

1類 屋内消火栓、屋外消火栓、スプリンクラー設備など
2類 泡消火設備
3類 粉末消火設備、ハロンなどガス系の消火設備
4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備など
5類 避難器具
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

1類〜5類は乙種と甲種の資格があり、6、7類は乙種のみです。
これらの資格を取得することで、該当する設備の点検や工事ができるようになります。

=★乙種と甲種の違い★=
乙種と甲種は出来る仕事が違います。それぞれの特徴を見ていきましょう。

・乙種の特徴
該当する設備の、点検及び整備ができます。受験資格が不要で誰でも受験可能です。消防設備士になりたい方や新人の方がまず取得する資格です。

・甲種の特徴
該当する設備の点検及び整備、さらに工事が出来ます。乙種設備士取得から5年経過や電気工事士の資格保持、専門の大学の卒業などの受験資格が必要です。

試験の内容は乙種より甲種の方が難易度があがります。なぜなら、製図試験などが追加され、覚えることが多くなるからです。

また、防災会社は経験者を欲しがっていますが、乙6の資格があると実務経験がなくても採用する企業もあります。
比較的合格率が高めなので、まずは乙6を取得してから防災会社に転職活動すると有利になりますよ。

第二種電気工事士

電気工事士の資格は誘導灯の点検業務に必要です。
消防署の対応によっては電気工事士の資格番号を求められるため、資格がなければ報告書に記名ができません。
また、電気は感電する危険もあるので知識がないと危ないです。
電気工事士は受験資格もなく実務経験も不要なので、電気会社や防災会社に入社する前に取得する人が多いですね。

第1種・第2種消防設備点検資格者

講習を受けることで点検の資格を取得できます。設備士の資格をとることが難しい方や新人にとってもらう会社が多いです。
第1種と第2種の違いは以下の通りです。

  • 第1種は消火設備
  • 第2種は警報設備、避難設備

この2つの資格を取得すれば消防設備士の仕事に従事することができます。

<注意点>
点検はできますが、工事はできません。また受講金額が約3万円程度とやや高めです。開催日は平日で、講習を3日間受ける必要があります。最終日に効果測定があり講習を聞いていなければ落ちるようなものです。
※第1種・第2種消防設備点検資格者講習は「一般財団法人 日本消防設備安全センター」が行っています。

03.資格を持っていると何が良いのか?資格がないとどうなるのか?

資格を持つことにはメリットがあります。そして資格がないとどうなるか、それぞれ見ていきましょう。

消防設備士の資格を持つメリット

  • 専門性、権威性、信頼性があがる
  • 資格手当が貰える
  • 国家資格のため自信がつく

資格を取得すると専門知識がつき(専門性)、知識がある証明になる(権威性)ので、お客様に信用していただける(信頼性)といったメリットがあります。私も仕事中に「資格をお持ちですか?」と尋ねられることがあります。そんな時は、携帯している設備士免状を見せてご安心していただきます。

また、資格手当については会社によって金額は多種多様です。消防設備士の資格手当を平均すると1つの資格につき1,000〜5,000円ほどです。1〜7類まで取得すると約10,000円ほど月収があがります。私の勤める防災会社では、設備士甲種で1つ5,000円、乙種3,000円の手当があります。設備士資格を全て取得しているため、資格手当で月31,000円の金額が上乗せされています。

そして、消防設備士は国家資格です。免状が交付され仕事に従事する際は、免状を携帯しなければなりません。顔写真付きの免状で運転免許証と同じサイズです。財布に入れておくと自信が湧いてきます!

資格がないとどうなるか

  • できる仕事が限られてくる
  • 知識が少ないので現場の理解が遅い

資格がないと知識や権威性がないため、現場では補助となる場合が多いです。無資格で点検ができないため一人での行動は難しいでしょう。このようにできる仕事が限られてしまいます。また、機器の構造や仕組みは資格勉強で学べることが多いため、実際の現場で理解に苦しむことがあります。

04.資格を取るコツ

資格を取るにはコツがあります。そのコツとは以下のことに注意しましょう。

  • 毎日継続すること
  • 自分で教材を選ぼう
  • 消防法令は絶対はずさない

それぞれ見ていきましょう。

毎日継続すること

・1日10分勉強する
毎日コツコツ10分間勉強しましょう。気分が乗らない時でも参考書に目を向けることを習慣化します。
試験前日に徹夜をして挑む方がよくいらっしゃいますが、記憶が定着しませんのでオススメしません。たとえ試験に見事合格したとしても、実際の現場で困ってしまうので毎日コツコツ身につく勉強をして準備しましょう。

・昼食後に時間を作る
昼食後は30分ほど休憩時間があると思いますので、その時間を勉強にあてます。職場や車の中で参考書を読むだけで十分です。食後は眠いと思いますが、合格するためには少し頑張ってみましょう!

・朝活がおすすめ
朝の時間は頭がスッキリしているため、記憶が定着しやすいです。朝学んだことを日中復習する時間も取れるのでオススメです。

自分で教材を選ぼう

私は15年前に入社した新人時代、乙6の参考書を職場の先輩に譲っていただきました。その参考書は薄い本で範囲も狭く、資格取得は簡単そうだと調子に乗って試験に望みました。
しかし、見たこともない問題が多数出題され、私は解くことができず不合格となりました。この時初めて参考書選びの重要性に気付きました。結局、他社の参考書を購入しなおして無事合格しましたが、この失敗は今でも後悔しています。

消防法令は絶対はずさない

設備士の資格試験には全ての問題で「消防法令」とよばれる出題項目が出ます。消防法令は15問なので全体の33%を占める回答数です。
実務でも必要な知識なのでしっかり覚えましょう。また、毎回出題される問題が同じなので100%を目指して覚えると後の設備士試験にも活用できます!

まとめ

消防設備士として働く際に必要な資格にはどんなものがあるか、資格を持っていると何が良いか、資格がないとどうなるか、資格を取るコツなどについて解説してきました。

消防設備士は資格がないと補助的な業務しかできません。ただし、資格があれば常に仕事の需要があり安定的に末永く仕事ができます。
資格の数は多いですが1つずつ取得して、一人前の消防設備士になれるよう応援しています!

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Written by書いた人

あき@消防設備士ブロガー

【職歴】防災会社勤続15年目の会社員
【取得資格】消防設備士甲種1~5類、乙種6.7類、電気工事士2種ほか
◆消防設備のお役立ちブログを運営しています。
「あきブログ」

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