【保全編】
オーバーホール
オーバーホールとは、機械の診断・メンテナンスを行う予防保全の一つ。
機械を分解、洗浄、部品交換、注油、組立、調整の手順で行う。定期的に行うことで機械を新品に近い状態に復元できる。機械を新しく買い替えることなく安全性と性能の維持が長期的に可能となる。
機械が古くなると元の部品が製造中止や費用が高額になるなどのデメリットが生じる。
また、修理が必要な箇所によっては機械を全て分解する必要があるため、時間が長期に及ぶ可能性もある。
事後保全(じごほぜん)
事後保全とは、機械や設備が故障してから保全業務(修理)を行うこと。
突発的にトラブルが発生してから修理するため、復旧まで設備が使えない。工場では生産計画に影響。マンションのエレベーターなどでは、住民に多大な影響が発生する。
しかし、事後保全には保全へのリソースがかからない、簡易的に保全作業ができるなどのメリットもある。
短期間で行える保全業務や故障のリスクが低い箇所に対しては事後保全で対応すると、コストを抑えられ最善とされている。
予知保全(よちほぜん)
予知保全とは、設備や機械が故障する前兆を事前に察知し、保全業務を行うこと。
故障の前兆を確実につかめれば、予防保全よりも部品代などのコストを削減でき、機械の稼働率を上げられるメリットがある。
予防保全と似ているが、大きな違いは保全のタイミング。予防保全に比べ、予知保全は適切なタイミングで保全業務を行える。
予知保全には、IoTデバイスなどの導入コストがかかるデメリットがある。しかし、人件費や機械故障のリスクを考えると、費用対効果がプラスになる可能性がある。
予防保全(よぼうほぜん)
予防保全とは、定期チェックで故障を未然に防止すること。
機械や設備の部品には耐久回数や時間が決まっている。それを基準に保全業務を行うことで故障を低減させ機械の稼働率を上げることが可能になる。
予防保全には時間基準と状態基準の2つの種類がある。
時間基準保全は、使用期間を設定し定期的にメンテナンスや部品の交換を行う。
状態基準保全は、点検を行い部品が劣化していた場合、メンテナンスや部品交換を行うことである。
自動車を例にあげると、車検などの定期点検は故障を未然に防止する予防保全である。