WORK

【ルーティン】大手電力グループ会社で勤務する電気主任技術者のある1日

【ルーティン】大手電力グループ会社で勤務する電気主任技術者のある1日
SHARE

大手電力グループ会社は、仕事や仕事以外にも様々な特徴があります。グループ会社の種類も多くそれぞれで仕事内容が異なるため、保有している資格を幅広く活かせられるでしょう。
本記事では、電気主任技術者の仕事内容を中心に大手電力グループ会社の勤務事情と1日のルーティンについてご紹介します。仕事の良い点とつらい点についてもご覧ください。

01.大手電力グループ会社の特徴と1日のルーティン

まず始めに、大手電力グループ会社の特徴と1日のルーティンについてご紹介します。特徴や1日の流れから大手電力グループ会社の勤務状態について確認してください。

大手電力グループ会社の3つの特徴

大手電力グループ会社の特徴としては、主に次の3つが挙げられます。

  • 地域の人から声をかけられる
  • 仕事の幅が非常に広い
  • 福利厚生が整っている

大手の電力グループ会社は、大手電力会社に繋がりがあるため知名度が高く、福利厚生についても充実しています。
ここでは、それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。

特徴①地域の人から声をかけられる

大手電力グループ会社に勤務していると、点検で一般の住宅街に行った際、挨拶をしてもらえたり感謝されたりします。また、点検のお礼に飲み物を貰うこともあります。
特に、お年寄りの方から声をかけられることが多いといった印象です。
グループ会社といっても地域のテレビCMなどによって報道されており、知名度があります。会社の車も道で多く見かけるため、覚えているといったことがあるようです。
知名度から地域の方々と交流があることは、大手電力グループ会社ならではの特徴と言えます。

特徴②仕事の幅が非常に広い

大手電力会社のグループ企業は多く存在するため、グループ会社によって従事する仕事の種類は大きく異なります。
電気設備の点検をメインにしている企業もあれば、工事をメインにしている企業など種類はさまざまです。消防設備や水道設備の点検も担っているグループ会社などもあります。
また、1つの企業においてもメインに電気設備の点検、サブに消防設備の点検など、複数のサービスを担っている場合があります。このため、大手電力グループ会社は職種の幅広さも特徴です。

特徴③福利厚生が整っている

大手電力会社は、福利厚生が整っています。そのため、大手電力会社のグループ企業である場合も福利厚生が整っている可能性が高いです。
具体的には、健康保険や厚生年金保険、労災、雇用保険、団体扱保険といった保険制度が挙げられます。このほかにも、賃金貸付制度や共済制度、住宅建設資金融資や財形貯蓄など種類はさまざまです。
筆者自身も大手電力会社のグループ企業に勤務していましたが、大手電力会社で設けられている福利厚生の恩恵を受けられました。
福利厚生といった面もまた、大手電力会社のグループ企業ならではの特徴と言えるでしょう。

【電気主任技術者】大手電力グループ会社勤務のルーティン

続いて、大手電力グループ会社勤務のルーティンをご紹介します。電気主任技術者としての1日の流れが次の通りです。

  • 8:00~:出勤・コーヒー
  • 8:30~:朝礼・現場確認
  • 9:00~12:00:点検
  • 12:00~13:00:昼食・昼休憩
  • 13:00~16:00:点検
  • 16:00~17:30:会社到着・報告書などの書類作成
  • 17:30~:終礼・帰宅

それぞれについて詳しくみていきましょう。

【8:00~】出勤・コーヒー

毎朝8:00頃、会社に出勤します。このとき行っていることは次の通りです。

  • コーヒーを飲みながらリラックスする
  • 会社の同僚や仲の良い先輩・後輩とコミュニケーションを取る
  • 朝礼後すぐに現場へ向かう日は試験器などの準備を行う

朝礼後の仕事に向けて徐々に準備を行うのが出勤して意識してる内容となります。

【8:30~】朝礼・現場確認

毎朝8:00頃、会社に出勤します。このとき行っていることは次の通りです。

  • コーヒーを飲みながらリラックスする
  • 会社の同僚や仲の良い先輩・後輩とコミュニケーションを取る
  • 朝礼後すぐに現場へ向かう日は試験器などの準備を行う

朝礼後の仕事に向けて徐々に準備を行うのが出勤して意識してる内容となります。

【8:30~】朝礼・現場確認

8:30になると朝礼が行われます。このときに自身が担当している現場の年次点検や竣工検査が入っていないか、また、他の人の現場に関して応援の有無も確認します。
朝礼が終わった後の行動は作業者によって異なりますが、筆者の場合は試験器の準備やメールの返信など比較的簡単に行えることのみ実践して現場に出発するといった流れです。

【9:00~12:00】点検

朝の9:00頃を目安に職場を出発し点検に出ます。点検の内容としては、担当している設備の月次点検や年次点検、竣工検査です。そのほか、別の技術者の応援といった場合もあります。
この中でも年次点検や竣工検査などは時刻が決まっているため、時間管理が重要です。月次点検は時間に厳しい現場と厳しくない現場があるため、スケジュールを調整しながら行います。
電気主任技術者は単独行動が多く責任感が必要ですが、事務所で監視し続けられることがないといった面では精神的に楽な仕事です。

【12:00~13:00】昼食・昼休憩

12:00~13:00は基本的に昼休憩の時間です。弁当や外食などで食事を済ませた後、河川敷や大きなデパートの駐車場で休憩します。場所によっては、一度職場に戻ることもあります。
また、点検によって午前中の作業終了が12:30だった場合は、時間をずらして13:30まで休憩といった調整をすることもあります。
1ヶ月単位で自身のスケジュールを管理し、担当している現場の点検を済ませておけば良いため、1日単位のスケジュールを強く拘束されるといったことはありません。
電気主任技術者は、1日の自由度も高い仕事です。

【13:00~16:00】点検

13:00になると休憩を終えて昼からの点検を開始します。点検の流れとしては、午前中に行ったものと変わりません。
担当している設備の月次点検や年次点検、その他作業者の応援などが主な仕事内容です。夕方に現場が入っていない限りは16:00頃の会社到着を目途に仕事します。

【16:00~17:30】会社到着・報告書などの書類作成

16:00に会社へ戻った後、必要に応じて報告書や図面、見積書作成などの事務作業を行います。このほかにも年次点検・竣工検査などの計画書作成もこの時間帯での作成です。
ただ、月次点検の報告書はその場でサインを貰うこともあるため、会社で作成しない場合もあります。急ぎでない限りはゆっくりしながら事務作業を行うといった時間帯です。

【17:30~】終礼・帰宅

17:30にある終礼の後、帰宅して1日の仕事は終了です。終礼では、翌日入っている現場の確認や1日のスケジュールを確認します。
確認した後に翌日のイメージを行うと、次に職場へ来た際すぐに行動できるのでおすすめです。
また、時間外勤務の主な内訳は、休日の点検や夜間作業です。これらが月に15~30時間の時間外となりますが、平日の残業はほとんどありません。

03.大手電力グループ会社で取得していると優遇される資格

大手電力グループ会社では、取得していると優遇される資格があります。具体的に優遇される資格としては、次の通りです。

  • 電気工事士【第一種・第二種】
  • 電験【一種~三種】
  • 電気工事施工管理技士
  • エネルギー管理士【電気分野】

これらの資格は、電気系統の資格であるため、取得することで優遇されることが多いです。
ただし、大手電力グループ会社と一言で表しても、その中の企業は多く存在します。そのため、職種にあった資格であれば、会社で優遇されるといった可能性は高いです。
例えば、ビルメンテナンスの会社であった場合、ビルメン4点セットとも呼ばれる「第二種電気工事士」「2級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」「危険物乙4」などが該当します。
消防設備士なども取得していると更に優遇されやすくなるでしょう。このように、仕事にあわせた資格の取得が大切です。

04.電気主任技術者の良かった点とつらかった点

ここまで、大手電力グループ会社の勤務事情や1日のルーティンについてご紹介しました。ここからは、実際に仕事をして良かったと思う点とつらいと感じた点についてご紹介します。

電気主任技術者の良かった点

大手電力グループ会社で電気主任技術者として従事した結果、良かったと思える点は次の通りです。

  • 技術者としてのレベルアップが図れる
  • 地域貢献度が非常に高い
  • 他企業からの信頼が厚い

電気主任技術者は、電験三種で学んだ知識を現場に応用し実践経験から得られる知識と組わせることで更に技術者としてのレベルアップが図れます。
また、現代社会において必要不可欠な存在である電気の保安管理に従事できる仕事であるため、地域貢献度も非常に高い仕事です。
加えて、現場においても他企業から保安面での質問や相談をされることもあります。技術者としての価値や社会への貢献といった面で得るものが多いことは電気主任技術者の良い点です

電気主任技術者のつらい点

一方で、電気主任技術者として従事した結果つらいと感じたのは次の点です。

  • 現場によっては休日出勤や夜間作業がある
  • 宿直当番がある
  • 仕事に大きな責任感が必要

電気主任技術者は、電気の保安管理を担う仕事であるため、求められる知識とそれに伴う責任感は強く必要です。
また、ビルや銀行、病院やデパートなどは休日の際に点検してほしいと依頼される場合もあります。そのため、土日や早朝・夜間作業なども現場によっては行います。
ただし、深夜作業の有無などは、仕事に従事する前に相談する・希望を伝えるといったことで改善できる場合が多いです。更に、代休や給料アップといった待遇を用意している企業もあります。
仕事に辛い点はありますが、行動次第で改善できるのも電気主任技術者ならではの特徴と言えるでしょう。

まとめ:電気主任技術者はおすすめできる仕事

本記事では、電気主任技術者の仕事内容を中心に大手電力グループ会社の勤務事情と1日の流れについてルーティンをご紹介しました。
電気主任技術者は、地域貢献度が高く技術者としてのレベルアップも狙える仕事です。また、大手電力会社やグループ会社への就職・転職も狙えます。
職場によっては休日の点検・夜間作業等もあるため、1ヶ月単位で自身のスケジュールを管理したい方におすすめの仕事と言えるでしょう。


Written by書いた人

ワタル

【取得資格】第二種電気工事士、第一種電気工事士、電験三種、エネルギー管理士(電気分野)、消防設備士乙種6類
【職歴】電気科新卒→大手電力グループ会社に入社→電気主任技術者として勤務→2019年1月退職→フリーのWebライター兼編集者として活動。
「電気工事士入門の書」

SHARE

GENBAroo(ゲンバルー)は「現場」で「頑張る」人たちを
応援するメディアです!

人々の生活を支えるヒーローのために現場で使えて役立つ情報をお届けします。