【ビルメンに必要な資格は?】取得する順番やおすすめの理由を解説!
こんにちは、現役ビルメンのイサカです。
「ビルメンには資格が重要らしいけど、数が多すぎてイマイチ分からない・・・」
こんな悩みを持っていませんか?
この記事を読めばビルメン業界で需要の高い主要な資格を知ることができます。
取得する順番や給料への影響などもバッチリ解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください!
目次
01.一般的にビルメンセットと言われる主要な資格を解説
まず抑えておきたいのは「ビルメンをする上で資格は切っても切り離せない」ということ。
多くのビルメンが目標とする資格に向かって日々挑戦し、普段の業務をこなしながら勉強をしています。
自分から目標となる資格を決めて目指す場合もあれば、会社から「これ取ってよ」と指定されてそれを受験する場合もあります。
それでは具体的にはどんな資格があるのでしょうか?
一般的にビルメンに必要な資格は次のように大別されます。
- ビルメン4点セット
- ビルメン5点セット
- ビルメン三種の神器
- ビルメン8点セット
初めて聞く人は「こんなに多いの?」と思うかもしれませんが、意外とシンプルなのでご安心を。
早速、各セットの内容を見ていきましょう!
ビルメン4点セットとは?
「ビルメン4点セット」とは以下の4つの資格をまとめた総称のことです。
- 第二種電気工事士
- 危険物取扱者乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械責任者
これら4つの資格はビルメンをやっていく際に基本となる資格で、ビルメンになりたての方は、まずこの辺の資格から目指していくことがベターです。
ちなみに職業訓練の「ビル管理コース」でも上記4つの資格を半年以内になるべく多く取って就職することを目標にしているところが多いです。
これらの資格はビルを管理していく上で必須の知識が体系的に学べて、実際に仕事をする時にも勉強したことは確実に役立っているという実感があります!
特に第二種電気工事士で学ぶ電気の基礎知識や第三種冷凍機械責任者で学ぶ冷凍サイクルの部分などは覚えておくと仕事の理解も深まるので勉強して損はありません。
さらに、全て国家資格で履歴書にも堂々と書けるので、積極的に取得することをおすすめします!
ビルメン5点セットとは?
ビルメン5点セットというのは、先程紹介した
ビルメン4点セット+消防設備士のことを言います。
消防設備士という資格はビルメン4点セットに負けず劣らず需要がある資格で、難易度も4点セットとあまり変わらないので、ビルメン初心者にはおすすめの資格と言えます。
この資格は文字通り消防設備(消火器やスプリンクラーなど)を点検したり工事したりできるようになる国家資格。
危険物の資格と似ていて、種類がたくさんあるのが特徴です。(甲や乙、1~7類など)
ビルメンをやるなら、
- 消防設備士甲・乙4 → 自動火災報知設備
- 消防設備士乙6 → 消火器
※甲種は点検に加えて工事が担えます。
などが特に需要があるかと思います。
ここまで紹介したビルメン5点セットまでが、いわゆる入門編。
きちんと勉強すればまず取得できるだろうというような難易度と言われています。
ビルメン三種の神器とは?
お次はいよいよ難関資格編です。
ビルメン三種の神器とは、以下の3つの資格のことを言います。
- ビル管(建築物環境衛生管理技術者)
- 電験三種
- エネルギー管理士
これらの資格は上位資格とも言われ、ビルメン業界の中でも合格率の低い難関資格として有名です。
ビルメン5点セットまでをある程度取得し終えたら、次のステップとして三種の神器に挑戦するというのが一般的なビルメンのキャリアとなります。
三種の神器を取得することにより、他のビルメンと差別化でき、色々な面で有利になるので、時間をかけても狙う価値は十分あると言えるでしょう!
実際に周りを見渡してみても、ビルメン歴が長いのに4点セットまでしか取得していないという人も結構多くて、それだけ三種の神器の壁は高いというのを現場からも感じています。
ビルメン8点セットとは?
さて、最後に紹介するのは「ビルメン8点セット」です。
感の良い方ならもうお気づきだと思いますが、ビルメン8点セットとは、ビルメン5点セット+ビルメン三種の神器を合わした総称となります。
つまり、これまでに紹介した全ての資格を合わせてビルメン8点セットと言うのです。
さすがに8点セットを全てコンプリートしたという人は今までに見たことがありません。
それくらい希少なものだということはお伝えしておきます。
↓最後にビルメン8点セット全てを改めて紹介!↓
- 第二種電気工事士
- 危険物取扱者乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械責任者
- 消防設備士
- ビル管
- 電験三種
- エネルギー管理士
02.実際のビルメン現場で特に求められている資格はどれ?
「ビルメンセットの中でも特に大事な資格はあるの?」
こんな風に疑問に思った人もいるかもしれません。
結論から言いますと下記の2つの資格が特に需要が大きくて取得する意味も大きいです。
- 第二種電気工事士
- ビル管(建築物環境衛生管理技術者)
個人的にはこの上記2つの資格を最優先で取っていくことをおすすめします。
その理由について解説していきます。
ビルメンセットで特に大事な資格①第二種電気工事士
ビルメンになって最初に狙いたい資格群「ビルメン4点セット」の中でも頭一つ抜けて重要なのが第二種電気工事士になります。
例えば、ビルメン関連の求人を丁寧に見ていくと第二種電気工事士の有無で足切りラインを設けているものもよく見ます。
またビルメンを目指す職業訓練のコースでは、その訓練時間の多くを第二種電気工事士の取得練習に費やします。
他にもざっと以下のような理由があります。
- 電気はどんな建物にも通っている基本中の基本の設備だから
- 電気は扱いを間違えると命に関わる危険なものだから知識は必須
- 簡単な電気工事をする場合でも資格は必要だから
もし無資格の人が適当な工事をして事故や火災になったら大変なことになるので、資格を持っているというのは非常に大切な事と言えるでしょう。
ビルメンになったら、とりあえず第二種電気工事士+αを取るようにしたらひとまずは格好がつきます。
+αの資格は興味がある資格や試験日が近い資格を選ぶと良いかと思います。
個人的には第二種電気工事士+危険物乙4がおすすめ!(乙4が簡単で低費用で取得できるから)
ビルメンセットで特に大事な資格②ビル管
ビルメン上位資格の中でもとりわけ狙いたいのが「ビル管」の資格です。
ビル管とは、ビルの管理全体を総合的にまとめる責任者のような立場。
ビル管(建築物環境衛生管理技術者)という国家資格に合格して選任されるとなることができます。
難易度的には三種の神器の資格の中で一番簡単なので、とっつきやすいのも魅力の一つ。
簡単に言ってしまえば、コスパがとても良い資格と僕は思っています。
また、ビルメン求人の中でも待遇が比較的良いものは、ビル管を持っていることが受験資格の一つになっている場合もよく見ます。
さらに言うと、一定規模以上のビルにはビル管資格を持っている人を「選任」しなければならないと法律で決まっているので、企業からしても需要が高いのでしょう。
他にもビル管を取得するメリットは以下のようにたくさんあります。
- 実務経験が2年以上あることを証明できる
- 資格手当&選任手当で給与が大幅に上がる可能性もある
- ビルメンテナンス業界の転職に非常に有利
ビル管を受験するには実務経験が必要です。
ですからビルメン1年目の人が受けることは基本的にできません。
裏を返せばビル管を持っているということはビルメンの実務経験が2年以上はありますよという証明にもなるということ。
ビルメンを長く続けていくなら早めに取得しておいて損はないおすすめの資格です!
03.ビルメン資格を取得するおすすめの順番は?
これまでにビルメンに関する8つの資格を解説してきました。
「一体どんな順番で取得していけばいいの?」
こんな疑問を持つ方も当然多いと思います。
そこで、個人的な意見になりますが現役ビルメンの私がおすすめの順番を解説していきます。
基本は4点セットから
まずビルメンになって2年目までは4点セットの取得を目指しましょう!
特に優先順位が高いのはこれまで説明したように「第二種電気工事士」です。
2年以内に4点セット全て+消防設備士いくつかを取得できれば百点満点です。
ビル管の実務経験が溜まったら積極的にビル管を受ける
2年実務経験を積むとビル管の試験が受験できるようになります。
ビル管が受けられるようになったらそちらをく最優先で受けにいくことをおすすめします。
それくらいビル管という資格は設備業界において使い勝手が良くコスパの良い資格なのです。
学歴や職歴で免除できるものは積極活用しよう
あなたの学歴や職歴によっては免除制度が活用できる場合があります。
- 特定の高校、高専、大学などを卒業した人は第二種電気工事士の筆記試験が免除
- 火薬類免状を持つ人は一部の危険物の科目を一部免除
などなど。
ビルメンの資格を受験する場合、自分の学歴や職歴、資格などを棚卸しして免除が活用できるものがないかチェックしてみましょう。
▼ビル管(建築物環境衛生管理技術者)試験団体より詳しい「受験資格」を確認できます。
公益財団法人日本建築衛生管理教育センター
コンプリートにはこだわらないでも良い
ビルメンの中には細々とした資格のコンプリートにこだわる人が時々いますが、あまりおすすめしません。
例えば危険物を全種類取ってみたり、消防設備士を全種類取ってみたりと、コンプリートに長い時間をかけてしまうような場合です。
もちろん勉強することも資格を取ることも素晴らしいのですが、たくさん取ってもそれほど有効活用できなかったり、更新が大変だったりとデメリットもあります。
個人的には細かい資格はほどほどにして、三種の神器などの高難度の資格へ挑戦する方が良いのかなと思います。
04.ビルメン資格を取るとどんなメリットがある?給与や評価への影響
最後にビルメンに必要な資格を取ることのメリットを紹介します。
下記にまとめましたのでざっと読んでみてください。
- 資格を取ると資格手当が出る場合が多い → 年収が上がる
- 資格を活かして「選任」されると手当が出る
- 資格を取ると積極性が評価される → 他の部分をカバーできる
- 資格を取ることが昇進要件になっている場合もある
まず大きなメリットとして「給与面」に注目してみましょう。
単純に資格を取ることにより資格手当や選任手当が頂けて、月額数万円ほど給料がアップする可能性があります。
ビルメンの給料はそれほど高くないと言われているので、資格で底上げすることは非常に大切です。
給料が上がるのなら自分のためにもモチベーションが上がりますよね(笑)
せっかく貴重な時間を使って勉強するのですから、バッチリ合格して年収アップを目指しましょう!
そしてもう一つ重要なのが「評価面」です。
資格はビルメンと切っても切り離せない関係と言いましたが、これは評価に直接関わるからとも言えます。
単純に資格勉強をしていると「こいつは頑張ってるな」みたいに好意的に見られることが多いです。
上司との面談でも「今年は何か資格に挑戦するのか?」と聞かれることがビルメン業界ではよくあるでしょう。
企業としても会社に有資格者が多いと対外的にアピールでるので、どんどん資格は取って欲しいと思っているはず。
その証拠にビルメン会社のホームページとか見ると資格者一覧を載せているところも多いですよね。
そして、その評価が昇進に繋がったりもするものです。
また、他の能力に自信がなくても資格を頑張ることで自分の存在をアピールすることも可能です。
資格さえあれば良いとは言いませんが、難関資格を所持していたらそれだけ会社からも重宝される存在になれることは確かです!
05.まとめ
以上がビルメンに必要な資格についての解説でした!
ここまで長々と説明したようにビルメンテナンス業界では資格がかなり重要視されます。
簡単な資格から段々とステップアップして給料や役職を上げていきましょう!
個人的にはビルメン資格はほとんどが国家資格だし一生履歴書に書けるので、取得する意味は十分あるかと思います。
ではここまで読んで頂きありがとうございました。
ビルメンのイサカがお送りしました。