【電気工事士の年収はどのくらい?】年収事情と年収をアップする方法についてご紹介
電気工事士は、電気設備の配線工事を中心に従事できる資格です。一種と二種に区分が分かれており、それぞれで扱える範囲が異なります。
また、電気工事士は、電気業界の仕事で名前を聞くことが多く「電気工事士の月収・年収はどのくらいなの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、電気工事士の年収事情について解説します。年収をアップさせる方法についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
01.電気工事士の年収事情
電気工事士の年収と一言で表しても、年収事情はさまざまな要素によって異なります。具体的な要素としては、次の通りです。
- 年代
- 資格
- 企業規模
- 経験年数
- 地域
ここでは、それぞれの要因別に電気工事士の年収事情を見ていきましょう。
1.年代別
電気工事士の年収を年代別にすると以下の通りです。
- 20~24歳・・・359万円
- 25~29歳・・・437万円
- 30~34歳・・・474万円
- 35~39歳・・・517万円
- 40~44歳・・・549万円
- 45~49歳・・・591万円
参考:賃金構造基本統計調査
※性別は男性を例にしています。
表を見ると、年齢と共に年収がアップしていることがわかります。年齢を重ねると技術力がアップし、場合によってはキャリアアップするためです。
資格を活かした技術職で自分を高めたいといった方は、電気工事士の仕事でキャリアを積むのが良いでしょう。
2.資格別
電気工事士の資格には第一種と第二種があります。それぞれの平均月収の違いについてご覧ください。
- 第二種電気工事士・・・32.8万円
- 第一種電気工事士・・・37.2万円
参考:求人ボックス
上記の通り、第一種の方が貰える月収がアップします。これは、第二種で従事できない高圧の区分も取り扱えるようになるためです。
ただ、第一種電気工事士の資格試験は特別難しいわけではありません。資格手当が支給される会社もあるため、電気工事士を目指すのであれば第一種までの取得をご検討ください。
3.企業規模別
就職・転職する企業規模によっても電気工事士の年収は異なります。規模と平均月収の関係については、次の通りです。
- 企業規模 ・・・・平均月収
- 10~99人 ・・・・32.1万円
- 100~999人 ・・・31.6万円
- 1,000人以上・・・34.7万円
参考:賃金構造基本統計調査
企業規模で月収は異なるものの、大きな違いでないことがわかります。そのため、企業を選ぶときは大きさではなく自分が希望するスタイルに近いかで選びましょう。
雰囲気や勤務形態など自分が重要視したい部分にあった企業を選択することが大切です。
4.経験年数別
電気工事士の年収は、未経験者と経験者で異なります。経験者の中でも年数で異なるので、次の表を参考に年収をご確認ください。
- 経験年数・・・平均月収
- 0年・・・・・21.8万円
- 1~4年・・・・23.4万円
- 5~9年・・・・27.6万円
- 10~14年・・・28.6万円
参考:賃金構造基本統計調査
電気工事士は、経験年数を積むほど年収がアップします。これは、経験年数が多いとそれだけ技術力があると評価されるためです。
資格を取得して経験を積む、シンプルな方法で電気工事士の年収はアップします。
5.地域別
電気工事士に関係なく、住んでいる地域によって平均年収は異なります。地域と年収の関係については以下の通りです。
- 北海道・東北・・・・364万円
- 関東・・・・・・・・429万円
- 甲信越・北陸・・・・377万円
- 東海・・・・・・・・404万円
- 関西・・・・・・・・412万円
- 中国・・・・・・・・358万円
- 四国・・・・・・・・368万円
- 九州・沖縄・・・・・353万円
参考:求人ボックス
都市部の平均年収が高いことがわかります。ただ、地方の年収が低いといったわけでもありません。
経験年数や新規資格の取得で年収アップは十分に狙えるので、自分の好きな地域で仕事に従事しましょう。
02.電気工事士の年収は高い?低い?
先ほど、電気工事士の年収を要因別に見ましたが、年収の相場は約350万円~約600万円であることがわかりました。
国税庁の調査では、日本人の平均年収は433万円とされているため、電気工事士は仕事を続けることで平均以上の年収を目指せます。
また、電気工事士の資格は幅広く活かせるのも特徴です。ビルメンテナンス業界や電気保安業界でも電気工事士の保有者は価値が上がります。
そのため、電気工事士の仕事は自身の価値を高めつつ年収アップを目指せる仕事と言えるでしょう。
03.電気工事士の将来性
電気工事士は、将来的にも需要の高い仕事と言えます。現在の社会において、電気は必要不可欠な存在であるため、その工事に従事する電気工事士の需要はなくなりません。
また、電気工事士は資格保有者でしか仕事に従事できない業務独占資格です。資格の未取得者による電気工事は電気事故防止の観点からも禁じられています。
一般家庭に供給する低い電圧の工事でも第二種電気工事士が必要です。そのため、電気工事士は技術者に付加価値のつく職業と言えるでしょう。
技術者に付加価値のつく職業はAI時代が到来してもニーズが無くなりにくい仕事であるため、電気工事士には将来的な需要が見込めます。
04.電気工事士に向いている人と向いていない人
電気工事士の仕事は、向いている人と向いていない人でわかれます。そのため、ポイントをチェックして向き不向きを確認することが大切です。
ここでは、向き不向きの特徴について詳しく解説します。電気資格の取得を目指しているけど仕事が自分に向いているか不安な方は参考にしてください。
1.電気工事士に向いている人
電気工事士の仕事に向いている人の特徴は、次の5つが挙げられます。
- 指示された図面通りに工事できる
- コツコツと技術を高められる
- 体を動かす仕事が好き
- 一人前になるまで経験を積める
- コミュニケーションが取れる
電気工事士は屋外・屋内問わず電気の配線工事を担います。その際、提示された図面通りに施工する力が必要です。加えて、チームで電気工事を行う場合はコミュニケーション能力も求められます。
また、電気工事士になったばかりのうちは、現場ごとに新しい知識を学びます。電気設備や工事についての知識を積極的に学びにいく姿勢が大切です。
このほか、体を動かすのが好きな方も電気工事士に向いています。1日に複数の現場を回ることもあるため、健康や体力を維持する力も必要と言えるでしょう。
2.電気工事士に向いていない人
一方で、電気工事士の仕事に向いていない人の特徴は、次の3つが挙げられます。
- 図面通りに施工しない
- コツコツと技術を高められる
- 責任感がない
- コミュニケーションが取れない
電気工事士の仕事は、大きな責任を伴います。というのも、1つの結線ミスが大きな電気事故に繫がる可能性があるためです。
加えて電気事故は自分だけでなく周りを巻き込む可能性もあるので、自分の行動に責任を持てないといった方は、電気工事士に向いていないと言えます。
ただし、体力に自信がないといった方は大きな問題ではありません。仕事をすれば自然とついてきますし、大事なのは責任感を持ってコツコツと努力できるかどうかです。
05.電気工事士で年収を上げる方法
電気工事士が年収を上げる方法としては、主に次の3つあります。
- 実務経験を積んで技術を磨く
- 転職する
- 独立する
それぞれの内容について詳しく確認していきましょう。
方法①実務経験を積んで技術を磨く
電気工事士の年収を上げる1つ目の方法が「実務経験を積んで技術を磨く」ことです。年収は、経験年数を積んで技術力を上げるとアップします。
また、経験を積むとキャリアアップを狙えるのもメリットです。現場監督や役職に就くことで更なる年収アップを狙えます。
知識や技術力を高めつつ、現場で臨機応変に対応する力も身につけて自身の価値を高めていきましょう。
方法②転職する
電気工事士の年収を上げる2つ目の方法が「転職する」ことです。もし、現状の年収に満足していないのであれば転職も視野に入れましょう。
知識と経験を積んだ電気工事士は、電気業界での価値が上がります。また、今の資格だけだと不安だといった方は、電気工事士と相性の良い電験三種や消防設備士等の資格も取得すると更に転職で有利です。
求人サイトや転職エージェントを活用して自分に適した職場を見つけてください。
方法③独立する
電気工事士の年収を上げる3つ目の方法が「独立する」ことです。独立することで平均以上の年収を目指せます。
ただし、独立は他の方法よりも難易度が高くなります。これは、電気に関してより専門的な知識が求められるためです。
また、電気以外にも営業能力やコミュニケーション能力が必要となります。最初は上手く稼げない場合もあるため、独立には相当な覚悟が必要です。
06.電気工事士と相性の良い資格
電気工事士と相性の良い資格は、次の3つあります。
- 第三種電気主任技術者(電験三種)
- 電気工事施工管理技士
- 消防設備士
それぞれの資格の特徴について詳しく解説します。
資格①第三種電気主任技術者(電験三種)
電気主任技術者は、自家用電気工作物の保安・管理業務を担う仕事です。専門性の高い知識を要求されるため、取得すると電気の専門知識を有することの証明となります。
技術者としての価値が今まで以上に高まるため、電気工事士の業界でも電験三種の資格保有者は重宝されるでしょう。
ただし、資格は4科目から構成されており難易度が高いのが特徴です。資格取得に年単位の期間を要する場合もあるため、計画的に対策して取得を目指しましょう。
資格②電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事における施工計画書の作成や工事の安全・品質・工程管理など施工業務を管理する仕事です。
電気工事施工管理技士の特徴は、試験に受験資格があることです。実務経験が求められるため、誰でもすぐに取得できる資格ではありません。
ただし、取得することで施工管理の業務に就けるだけでなく、技術者として経験年数があることの証明にもなります。
技術者としてキャリアアップを目指す方におすすめの資格です。
資格③消防設備士
消防設備士は、建物にある消防設備の整備・ 点検をする仕事です。乙種と甲種の2区分が設けられており、甲種であれば消防設備の工事もできます。
電気工事士と消防設備士の資格が活かせるのは、ビルメンテナンス業界です。ボイラー技士や第三種冷凍機械責任者もあわせて取得しておくことでさらに価値が上がるでしょう。
また、試験の難易度自体も合格率30〜40%と高すぎないのも特徴です。2〜3ヶ月効率良く勉強することで合格できるだけの力は身につきます。
転職やキャリアアップを目指す方は、ぜひ取得をご検討ください。
まとめ
本記事では、電気工事士の年収事情について年収をアップさせる方法とあわせて解説しました。
電気工事士の年収は、経験年数や取得している資格、地域などさまざまな要素によって異なります。ただし、年収が平均よりも低いといったことはありません。
経験を積んで年収をアップさせると日本人の平均年収である461万円を上回ることも可能です。現代社会において必要不可欠な電気に関係する仕事なので、将来的にも需要のある資格といえるでしょう。
キャリアアップや転職、独立を視野に入れて年収アップを目指してください。電験三種や消防設備士などの相性の良い資格を取得するのもおすすめです!
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