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【管球交換】ただ交換するだけ?いいえ、意外と大変なんです!―難易度ランキング―

【管球交換】ただ交換するだけ?いいえ、意外と大変なんです!―難易度ランキング―
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全国の現場で働く皆さま こんにちは、ビルメンの青村です。

皆様は管球交換をした事はありますか?おそらく、家で電球を使用していれば1回や2回はした事があるのではないでしょうか。

管球交換は、ビルメンにとって代表的な仕事の1つであり、新人ビルメンはまず真っ先に管球交換担当に任命されます。最近ではLED照明の増加により、管球交換をする機会が減っているようですが、それでも管球交換という作業はまだまだ必要で、しばらくはビルメンの代表的な仕事のひとつであり続ける事でしょう。

「球替えが仕事?簡単そうでいいな〜」と思われがちな管球交換ですが、実は結構大変なのです。たかが管球交換、されど管球交換 何が大変なのか、僕の経験を踏まえてランキング形式で紹介をしたいと思います!

01.第5位:この管球は、特注品です!世界に一つだけの管球!

たまにあるんですよね・・・こういう管球が・・・

僕の現場では、とあるオブジェを照らすスポットライトがあり、それが特別仕様でして、5つあるうち1つが不点灯となってしまいました。
とりあえずメーカーに在庫を問い合わせますが、答えは「無し」。そもそも数もピッタリしか製造していないとの事。他の似たような管球を代替品として使えないかと色々試してみましたが、絶妙に色味が違い、オーナーからは「1つだけ色が違うのはみっともないから止めろ!」とお叱りを受けてしまいました。

こうなった場合、方法としては「全部のスポットライトの管球を、購入できるタイプの管球に交換する」しか無いのですが、まだ4つは普通に点灯しているので「交換するのはもったいない!」とまたまたオーナーからお叱りを受けてしまいました。
仕方がないので、点灯するライト数を減らしていかにも「わざと間隔を空けて点灯させています」風にして、とりあえず凌いでいます。

1つだけ色が違うより、こっちの方がみっともないのでは?と現場員一同は思いましたが、オーナーはこれでOK!との事。う〜ん、分かり合えない・・・。

02.第4位:どうやって脚立を立てる?複雑地形での交換!

管球交換をする際、大体が脚立などを使用して交換をしますが、その脚立がきちんと立てられない場所だと、とたんに交換作業の難易度が上がります。

例えば、狭い通路で脚立が立てられない場所。これは肩車をしてなんとか管球交換をしました。子供を肩車するぐらいなら、何とかなりますが、大人を肩車するのは非常に大変です。重いし、フラフラして危ないしで、やっていられません。
なぜ絶妙に背伸びしたぐらいじゃ届かない位置に照明を取り付けたのか・・・、もう少し低い位置にあればこんな苦労しないで済むのですが・・・。

他には、足元がタイルで、それがガタガタだったり、テナント内で床に物が置かれまくっていて、脚立をうまく立てられなかったりなど、色々な場所があります。ビルメンの戦場はいつも真っ直ぐな平地ばかりでは無いのです。

03.第3位:交換する事を考えていない!取り外せない管球!

どうしようもありません。だって取れないんですもの

管球が取れない・・・というより、管球の場所まで辿り着けないが正解でしょうか。前からも後ろからも、上からも下からも管球に触れる事が出来ない場所に取り付けられている事が、ごく稀にあります。

こういった場所にある照明は、大体がLEDです。LEDの寿命が約10年ぐらいと言われており、おそらく「10年も持つから、取れない場所に設置しても問題ないでしょ(笑)」みたいなノリで設置したのでしょう。でなければ、こんな設置方法はしないはずです。

どこかに隠されているスイッチを押せば、その管球が飛び出してくる・・・なんてステキ仕様はもちろん無いので、壁などを一部破壊して交換する他ありません。

そして取れたら取れたで、今度は毎度お馴染み特注品で、代替品が無かったというオチが待っていたりする事も。ここまで来ると施工会社側が仕掛けたドッキリだと錯覚してしまいます。

04.第2位:踏み外せば奈落・・・!航空障害灯の交換!

航空障害灯とは、高層ビルの屋上らへんに設置してある、航空機にビルの存在を示すために設置しているものです。
これも例に漏れず、管球切れを起こします。

設置している場所は屋上の四隅であったり、屋上の柱の上だったりと、なかなかデンジャラスな場所に設置されている事が多く、気楽に取り替える事は出来ません。

僕の現場でも、1年に1度ぐらいこの航空障害灯が管球切れを起こすのですが、運がいいとちょうどゴンドラ点検の業者や、窓ガラス清掃の業者がいて、交換作業をついでにやってくれたりするのですが、運が悪いと自分たちで取り替える羽目になります。
僕が過去に交換したのは屋上の四隅にあるうちの1つの管球交換でした。

安全策として、命綱をつけたりするなど、万全を期して交換作業をするのですが、それでもとにかく怖いです。
一歩踏み外したら命綱をつけているとはいえ、無事では済まない・・・というリアルな恐怖が交換中に襲いかかってきます。

ちなみに所長も一緒に交換作業をしていたのですが、所長は何の躊躇いも無くスイスイ移動して交換していました。
これはこれで怖い(所長が)

05.第1位:管球を守りし番人?テナント内での交換!

堂々たる第1位は、なんとテナント内での管球交換です。

今まで「管球が特注品」「場所が凄い」など、いかにも交換が大変そうな事項を紹介してきましたが、テナントの中での交換が1番大変というのは少し拍子抜けですよね?

この順位には理由があり、管球交換作業はダントツでテナント内での交換が多く、それゆえにトラブルが起きうる回数も、他の場所で行う管球交換よりも多くなりがちです。航空障害灯の交換なんて1年に1回ぐらいしかありませんからね、逆にテナント内の管球交換は1日に1件、下手すると1週間毎日管球交換をしているという事もありえます。その為、総合的に考えてこれを1位としました。

何が大変なのかというと、テナント内での交換では主にテナントのお客さんがいる中での交換になります。それが人通りの少ない場所ならば問題は無いのですが、ほとんどの場合は、お客さんの使用しているデスク上の管球交換となります。

デスク上の管球を交換する際に、もし下にお客さんがいたら一旦退いてもらうのがセオリーです。というか、退いてくれないと脚立も上手く立てられませんし、なにより危ないです。もし、管球が落下して下にいた人にぶつかって怪我をさせてしまったら、それはもうとんでもない事故になります。
もちろんお客さんもそれがわかっており、普通は何も言わずともスッと退いてくれます。2〜3分で終わる作業ですし、安全が第一です。

ただ困った事に、中には絶対に退いてくれないお客さんがいるのです。「ちょっと頭上で作業するので退いてくれませんか」とお伺いを立てても、聞こえないふりをしているのかパソコンをカチカチ。退いてくれないと脚立が立てられないよ~的なアピールをしても、我関せずでパソコンカチカチ。周りの人が「球替えするからそこ退いた方がいいんじゃない?」と耳打ちしても、それにすら反応せずパソコンカチカチ。あれ?もしかしてロボットかな?

まるで「この上の管球は交換させんぞ!」と管球交換を拒んでいる番人のように、微動だにしません。仕方がないので「なんか忙しそうなので、また今度にします?」と担当者に聞いたら「いえ!やっちゃってください!」と非常に無責任な返答が・・・マジかいな。

番人は退こうともしないし、担当者は「やってくれ」という有様。もう仕方がないので、実行する事に。脚立も本来であれば管球の真下にセッティングしたいところですが、退いてくれないので、少し離れた場所にセット。半身を乗り出しまるでサーカスのような感じで管球交換を実施。交換時、周りから「大丈夫か?」「危なくない?」などの声が。危ないと思うなら、この番人を退かせてくれ!
番人は、頭上でサーカス状態で管球を交換しているにも関わらず、本当に我関せずでパソコンカタカタ。もはやここまで来ると逆にその神経にアッパレです。

なんとか管球交換を終え、テナントから退散。こんな感じの事が、10回に1回はあります。頻度としてはそれほど低くは無く、テナントの管球交換依頼が来るたびに「今日は普通の場所でありますように・・・」と祈っております。

最後に

以上が、僕が考える管球交換難易度ランキングです。

始めの方で書いた通り、管球交換は新人ビルメンが担当にさせられやすい業務なのですが、このように意外と一筋縄でいかないのが、この管球交換です。
もし管球交換を大変そうな顔でしている現場員がいたら「あ、あそこの管球交換は厄介な場所なんだな・・・」と思ってあげてください(笑) 単純そうな作業に見えますが、結構トラップが多い作業なのです。

というわけで、以上が管球交換難易度ランキングでした!最後まで読んでいただきありがとうございました。本日も安全作業で頑張りましょう!

Written by書いた人

青村

【取得資格】第2種電気工事士
【これだけは言いたい】タケノコなら無限に食べれる自信あり。
「ビルメン青村の日常」」も更新中!

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