【技術者必見】設備保全とは?メリット・デメリットと必要資格についても伝授!

「工場のメンテナンスに興味がある」
「設備保全はきつい仕事なのか?」
「ビルメンから工場で働くために必要な資格は?」
そんな疑問にお答えしていきます。
工場の設備保全の仕事は、ビルメンなどのメンテナンス業務に比べ少し特殊な仕事です。
しかし、ビルメンの仕事にはない、メリットが多数存在します。
どのような技術系の資格があれば設備保全の仕事はできるのでしょうか?
この記事では
- 設備保全とは
- 設備保全の仕事内容
- 設備保全に求められる資格
- 設備保全のメリット
- 設備保全のデメリット
と、工場の設備保全の仕事について解説します。
ぜひこの記事を参考に、設備保全という業務について見識を広めてみてください。
目次
01.工場の設備保全についてサクッと解説
工場の設備保全は、生産に関わるロボットや洗浄機などの修理・点検を行います。
設備の保全方法は、以下3つです。
- 事後保全 (設備が故障し動かなくなった場合や機能が低下した際に行う。)
- 予防保全 (時間や回数によって保全業務を行い、故障を未然に防ぐ。)
- 予知保全 (設備が故障する予兆を発見し、故障前に原因箇所の保全を行う。)
設備保全は、工場が自動化していくにつれ設備が増えるため、需要が増えていきます。
そのため、AIなどに代替されにくい職種の1つです。
一人前になるには、10年以上の経験が必要ですが、高いスキルを身につければ仕事に困ることはなくなるでしょう。
02.設備保全の主な仕事内容4選
工場の設備保全は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?
こちらでは、設備保全の仕事内容について、以下4つの項目で解説していきます。
1.設備の定期整備
2.設備の定期点検
3.設備故障の対応
4.設備の改善・改造
それぞれみていきましょう。
1.設備の定期整備
工場の設備は、定期的に整備が必要です。定期整備を怠ると、長期の故障が発生する確率が高まります。
具体的には、以下のような定期整備を行います。
- ポンプの整備
- モーターのベアリング交換
- ギヤボックスの更油
- シリンダーのシール交換
定期整備をして長期の故障を未然に防いでいくことが重要です。
2.設備の定期点検
工場設備は日々、劣化していくため定期点検が必要です。点検箇所や点検周期は、設備ごとの取扱説明書に記載されています。
- ベアリングは劣化していないか
- コンベアのテンションは緩んでいないか
- センサの入力に異常はないか
- 配線に劣化は見られないか
上記のような点検後は、劣化部品を計画的に交換し重大な故障を未然に防ぎます。
3.設備故障の対応
設備トラブルでの修理対応が設備保全のメインの仕事です。定期点検や整備を行っていても、設備故障は発生してしまいます。
設備トラブルで生産設備が停止してしまうと、生産ラインが止まってしまい大きな損失が発生。そのため、設備トラブルには迅速な対応が求められます。
迅速な対応をするためにも、定期点検や整備を行い、設備についての知識を深く身につけなければなりません。
4.設備の改善・改造
設備保全には、修理や点検の他に設備の改善や改造も業務内容の1つとなっています。
- 現場オペレーターよりサイクルタイムの改善
- 故障が多発している故障の防止
- ギヤボックスの更油
- 災害発生後の安全対策
改善をしていくには、設備について熟知している必要があり、内容によっては製造メーカーに確認が必要です。
知識がないまま改善を行うと、改善後に違うトラブルが発生する場合があるので注意しなければなりません。
03.これがあれば大丈夫!設備保全に求められる資格2選
工場の設備保全には、どのような資格が求められるのでしょうか?
こちらでは、設備保全に必要な資格について、以下2つの項目で解説していきます。
1.電気工事士
2.機械保全技能士
それぞれ見ていきましょう。
1.電気工事士
電気工事士は、電気の知識を身につけられるため、設備保全に必要な資格です。
ロボットなどの生産設備には、必ず電気を使用しています。そのため、設備保全には電気の知識が必須。
電気工事士を取得することで、電気の基礎知識が身に付くだけでなく、配線作業や工具の使用方法などの技術も身につきます。
電気工事士には「第一種」「第二種」の2つがあります。設備保全をするにあたっては、第二種電気工事士を取得しておけば問題ないです。
第一種は工場などの大規模な電気工事に必要なため、設備保全にはあまり使用しません。また、資格の取得には実務経験も必要なため、設備保全としては第二種の取得を目指しましょう。
2.機械保全技能士
機械保全技能士は、設備メンテナンスについての幅広い知識を得られる資格です。
資格には、3種類がありそれぞれ特級~3級までの資格があります。
- 機械系
- 電気系
- 設備診断
それぞれの3級の資格は、学生や新入社員が対象のため、2級以上の取得を目指したいです。
2級以上の資格取得で、実務に役立つばかりでなく転職でも有利に働きます。
機械保全技能士の資格は、設備保全でない現場オペレーターとしても高く評価されるため、
工場で働きたい方は取得して損しない優良な資格です。
04.工場の設備保全メリット3選
工場の設備保全業務には、どのような利点があるのでしょうか?
こちらでは、設備保全のメリットについて、以下3つの項目で解説していきます。
1.さまざまな知識やスキルが身に付く
2.毎日、業務内容が違う
3.自分の裁量で仕事を行える
それぞれ見ていきましょう。
1.さまざまな知識やスキルが身に付く
設備保全の業務をこなしていくと、さまざまな知識やスキルが身につきます。
設備修理をしていくには、以下のような知識が必要です。
- 機械
- 電気
- 電子
- 油圧
- 空圧
また、修理をする上で溶接や金属加工など、さまざまなスキルが身につきます。
設備保全として知識とスキルを高めていけば、市場価値が上がり、仕事に困らないでしょう。高い知識とスキルがあれば、独立開業も可能です!
2.毎日、業務内容が違う
設備保全では、業務内容が毎日変わります。
日々、違う内容の修理依頼がきたり、新たな問題に対して改善をしたりするためです。
修理内容にしても、機械系の修理と電気系の修理では修理方法が違います。また、突発的な修理と計画的な修理でも大きな差があります。
定期点検などは、同じ作業を繰り返す場合もありますが、毎日同じ点検項目を繰り返すわけではないので、飽きることはないでしょう。
3.自分の裁量で仕事を行える
設備保全の作業者は、自分の裁量で仕事を行いやすいです。
突発的な修理依頼が来なければ、自分の判断で予防保全や改善業務などを選んで仕事ができます。
しかし、自分の裁量で仕事を行った際には責任が生まれます。優先するべき仕事の選定を間違ってしまい、未然に予防できた故障を発生させてはいけません。
自分のやりたい仕事ばかりでなく、やらなければいけない仕事の見極めが重要です。
05.工場の設備保全デメリット3選
工場の設備保全には、欠点などあるのでしょうか?
こちらでは、設備保全のデメリットについて、以下3つの項目で解説していきます。
1.修理が完了するまで帰宅できない
2.危険な作業が多い
3.覚えることが多い
それぞれ見ていきましょう。
1.修理が完了するまで帰宅できない
生産設備が停止してしまった場合、生産ができないため出荷できなくなります。
そのため、設備保全は修理が完了するまで帰れない可能性が高いです。
特に、物流工場や組立工場では、数分の停止でも損失額が大きいため応急処置をしたのち、生産していない深夜に修理をすることもあります。
少しでも突発的な故障を減らすためにも、予防保全や予知保全が重要です。
2.危険な作業が多い
設備保全は危険な作業が多いです。修理作業では、危険な場所に行ったり動力源を切らずに作業をしたりする場合があるためです。
工場には、災害が発生しやすい状況として「3H」というものがあります。
- 変化
- 初めて
- 久しぶり
上記のような災害が発生しやすい状況での作業が設備保全には多いです。
- 毎日違う業務を行う(変化)
- 初めて行う内容の修理作業(初めて)
- 久しぶりにクレーンを使用する(久しぶり)
また、設備保全での災害は後遺症が残る可能性が高く、死亡災害が毎年起きているのも現実です。
災害のほとんどはルールを守らずに起きているため、ルールを遵守し安全に作業することが求められています。
3.覚えることが多い
設備保全のメリットとしてさまざまな知識が身につく反面、覚えることが多いです。
- さまざまな資格を取らなければいけない
- 正しい工具の使い方
- 部品の選定方法
- 電気部品の診断ソフトの使い方
- 機械や電気などの基礎知識
など、修理をするためには、さまざまな知識が必要になります。
覚えることが多いですが、覚えた知識を年に1回しか使用しないことも多々あります。
そのため、要点を抑え一度覚えた内容は見返せるように、メモして次回に活かすことが重要です。
まとめ
設備保全とは、工場の生産設備の保全業務を担当。
保全業務を行うために「機械保全技能士」「電気工事士」の2つの資格が役立ちます。
しかし、資格があるだけでは全ての修理に対応できないため、さまざまな知識やスキルが求められる仕事です。一人前の設備保全になるためには、10年以上の経験が必要。
高い技術とスキルを身につければ、市場価値が上がるだけでなく独立なども可能になります。
ぜひこの記事を参考に、工場の設備保全について理解し機会があれば転職活動などに活かしてみてください。
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