【消防設備士のリアルな年収事情】アップ策や将来性も解説。
こんにちは、消防設備士として防災会社に勤めて15年目の会社員あきです。
私はこれまで年収を上げるために消防設備士の資格を全て(甲種・乙種)取得し、いつか独立できるよう日々画策しています。
今回の記事では、
- 消防設備士の平均年収
- 消防設備士の年収アップ法
- 消防設備士の将来性
などについて私の体験をもとに解説します。
ビルメンや電気工事士にも参考になる内容です。
それでは行きましょう。
目次
01.消防設備士の仕事の特徴
消防設備士の仕事は大きく分けて2通りあります。
- 年2回の消防点検の実施
- 新築や増築時の設備工事
それぞれ説明します。
消防設備点検
点検は年2回実施することが消防法17条3の3に規定されています。
点検の流れはシンプルで、
1. 消防法で定められた設備点検を行う
2. 消防署に点検結果報告書を提出
以上で仕事が完了となります。
点検費用は小さい建物で、1回約5,000円、大きな建物になると、1回100,000円を越える物件もあります。これらの物件は消防設備士が点検しなければなりません。
消防点検をこなしていくことで、独立をしても安定して給料を稼ぐことができます。
稼ぐには物件数を増やすことが重要です!
消防点検は高い利益率
消防設備点検は利益率が高いです。
多いところでは、利益率が80%以上になるでしょう。
例えば、点検業務はその行為(サービス)から報酬をいただきます。
このように消防設備士はサービスや技術を売るため、あまり在庫を必要としません。
人件費や交通費などの経費はかかりますが、売上のほとんどが利益になるのです。
消防設備工事
消防設備士は工事でも安定的に仕事があります。
工事の中で一番多い仕事は、自動火災報知設備の取付工事です。
繁忙期では、月3件〜5件ほど現場が重なり、1件当たり1〜2ヶ月かかるため、同時進行で管理しながら回すことになるほどです。
新築や増築の建物に自動火災報知設備を取り付けなければならない法令があるため、工事でも安定して稼ぐことができます。
02.消防設備士の平均年収はどれくらい?
求人ボックスで消防設備士の求人をいくつか見ると、年収の相場は260万円~600万円です。
消防設備士の平均年収は状況によって変わります。
3つのポイントから見てみましょう。
- 勤続年数や年齢による違い
- 残業や手当は多いのか
- 繁忙期による仕事の影響はあるのか
それぞれ説明します。
勤続年数や年齢による違い
私は会社員として勤めているので、毎年ベースアップがあります。
私が勤務する会社を例にすると、昇給金額は毎年5,000円から10,000円です。
年間の業績がいい年は、昇給額が10,000円という具合です。
実際、私は勤続15年目なので入社してから12、3万円ほど月の給料が上がっています。
やはり仕事を長く続けることのメリットは、会社からの信用を得るので、有利に給与にも反映されることです。
残業や手当は多いのか
消防設備業は残業が多い職種です。なぜかというと夜間作業の現場があるからです。
例えば、大型商業施設は閉店時に点検しなければなりません。
お客様がいてはご迷惑がかかるため、夜間の時間、もしくは早朝の時間に点検を実施します。
夜間作業の現場が多いと、残業が1週間で10時間以上になることもあります。
(夜間作業の場合、代休などの措置をとることになります)。
残業したくないという方には向きませんが、残業代による給与の上乗せは期待できます。
繁忙期による給与の影響は
防災会社の繁忙期は、年度末の2〜3月末までが忙しい傾向があります。
嬉しいことに、お客様から「年度の予算が余りそうだから修繕費に使いたい」というお話がよくあります。年度末にこのような予算の使い方をされる企業が割と多くあるのです。
消防設備点検は、年2回実施する月が決まっているのですが、点検以外のこういった工事や修繕が入ると人手不足になるため年度末が忙しくなります。
繁忙期はバタバタしますがボーナスや年末賞与などで還元されます。
03.年収アップ!3つのポイント
職場の年収を上げるには3つのポイントがあります。
- 消防設備士の資格を取得する
- 本業と副業を両立させる
- スキルや人脈を元に独立する
この3点を意識することで、年収にも大きな影響があります。
それぞれのポイントを説明します。
消防設備士の資格を取得する
年収を上げるには資格の取得が重要です。
消防設備士の資格は1類から7種まであります。
それぞれの資格を持つことで、該当する設備の点検ができます。
例えば乙種6類。
この資格で消火器の点検ができます。
消防署の届出書類にも名前を記載するので責任が重大です。
給与に関しては会社は消防設備士の資格手当を出します。
各資格ごとに手当を出しているところが多いようです。
私の職場を例にすると以下の通りです。
- 甲種で5000円
- 乙種で3000円
- 電気工事士二種で3000円
私が取得した資格は甲種1〜5類と乙種6、7類、電工2種なので、全て合わせると3万3000円の手当があります。
ベースアップとは別に給料があがるため、全ての資格をとることが良いでしょう。
資格があるほど、手当が多く付くし知識や技術も身に付くので一番おすすめの年収アップ法です。
本業と副業を両立させる
消防設備士は点検業務などスポット的な求人が他の職種に比べて多く見受けられます。
しかし会社勤務の消防設備士が副業のためのスキマ時間を作るのは、やはりポイントをおさえなくてはなかなか難しいです。
そのためには本業をいかに素早く完了させるかがポイントとなります。
私は以下のように心がけています。
- 効率重視で仕事をこなす
- 一つ一つ仕事を早くかつ丁寧終わらせる
- 休憩時間も有効活用する
消防設備士の業務の中で消防設備点検は割と隙間時間が多いです。
例えば、マンションの消防設備点検。
部屋数の多いアパートやマンションは丸1日のスケジュール組みます。
お部屋の入室には時間指定があり、時間どおりに伺うのですが、時間が重なることが多くあります。
事前に効率よく回れる順序を考えると、無駄な時間が削減され、30分くらいのスキマ時間なら確保することができます。
こういった少しの隙間時間を積み重ねれば副業も十分可能です。
私を例にすると隙間時間を活用してwebライターとしてこの記事を執筆しています。
スキルや人脈をもとに独立する
年収をアップさせる方法としてスキルや人脈をもとに独立することもあげられます。
独立しても仕事内容は、点検や工事がメイン業務になります。
ただ、会社勤めと違って注意しなければならないのは、お客様を開拓する必要があることです。
そのためには人間関係やコミュニケーション、確かな技術などのスキルが大事になります。
いい加減な対応や、技術が伴っていないと、初めは依頼されても次はないかもしれません。
事実、独立したけど天狗になってしまい、業績が下がっている職人さんをよく見かけます。
お客様がいなければ、自分の生活も安定しないということを忘れず、丁寧で迅速な対応を心掛けて人脈を大切にできる人であれば独立して年収アップも期待できます。
04.消防設備士の将来性
消防設備士の将来性や魅力は以下のものがあります。
- 仕事がなくなることはない
- 高齢者になっても働ける
それぞれ見ていきましょう。
仕事がなくなることはない
防災会社の仕事はなくなることがありません。
- 消防法で義務付けされていること
- 火事や事故が起きると仕事の依頼が増える
この特徴は特殊で、他の業種ではありえません。
まず、消防法令で点検が義務付けされた業務がたくさんあるので、仕事がなくなることはありません。
さらに、大きな火災などが起こると法令はより厳しくなり、新しい措置が法令化します。
1つ例を挙げると、老人ホームで火災が起き、大きな被害が出てしまう事件がありました。
同じような被害を防ぐため、避難の難しい高齢者がいる建物にはスプリンクラーの設置が法令で義務付けられました。
その時期の防災会社は、スプリンクラー工事の依頼が殺到でした。
国の補助金制度もあったため、老人ホーム側も積極的に工事を依頼しました。
こういった例もあるように、消防設備士の仕事はなくなることがなく、むしろ増えていくので将来性があります。
高齢者になっても働ける
消防設備士の仕事は高齢者でも働きやすい業務が多いので長く仕事を続けられます。
例えば火災報知器の点検では、約2kgの加熱試験器と呼ばれる棒を持って歩き、1個づつ感知器を炙る作業がメインになります。
走ることもなく、危険な作業もありませんので、あまり体力を使わない業務が多いといえます。
実際に70代の点検作業員も見かけます。
長寿が進み、厚生年金も減っていく一方の日本で70代になっても安心して働けるというのは、なかなかの魅力だと思います。
05.まとめ
今回の記事では消防設備士の仕事の特徴や、年収アップ対策を紹介いたしました。
消防設備士は資格を取ることで年収が30万~50万ほど上がることがあります。
また会社勤めの場合は、勤続年数が長くなることで、ベースアップも見込めるでしょう。
消防設備は、人命を守るために備え付けられているため、消防点検という仕事がなくなることはありません。
消防設備士の資格を取得してスキルを極めたら、次は電気工事士1種を取ったり、電験三種の資格を取得するのも良いです!
資格取得を考えるなら、CIC日本建設情報センターは現場が忙しい人でも続けられる受験対策講座で、消防設備士以外にも現場で使える資格をたくさん扱っていますのでおすすめです。
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