【電気工事士(第一種)技能試験】5つのコツと公表問題から分かる3つのポイント。
「第一種電気工事士技能試験の施工を時間内に完成させたい!」
「公表された候補問題を踏まえてポイントがあったら教えて欲しい」
とお考えではありませんか?
第一種電気工事士の技能試験は第二種電気工事士の時と同様、要点を押さえて施工を繰り返すことで効率良く合格する力を身につけられます。
そこで本記事では、第一種電気工事士技能試験の施工を時間内に完成させるための5つのコツと候補問題から分かるポイント3つを解説します。
実際に筆者が試験に合格した際の経験も踏まえて時間の使い方についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
01.第一種電気工事士技能試験の施工を時間内に完成させるコツ5選!
第一種電気工事士技能試験の施工を時間内に完成させるコツは、以下の5つです。
- まずは複線図の記載から始める
- 作業は単位ごとに行う
- 練習の段階で時間管理を覚える
- 作業ごとの欠陥しやすいポイントを覚えておく
- 何があっても焦らない
上記のコツは、意識すればすぐに実践できるものばかりです。
ここでは、各コツについて「なぜそれが大切か」といった理由も踏まえて解説します。
コツ①まずは複線図の記載から始める
第一種電気工事士の技能試験が始まったら、まずは複線図の記載から行いましょう。これは第二種の時と同様、シンプルな施工間違いを無くすためです。
複線図を記載することで、これから行う施工のイメージができるだけでなく、接続するリングスリーブの刻印や配線の色の組み合わせなど細かな部分を確認して施工できます。
逆に複線図を記載せず施工を始めた場合、途中で悩むことがあっても1から確認するしかなく、結果として大きな時間を損してしまいがちです。
慣れると3~5分程度で記載できるようになるため、まずは複線図を記載して単純な結線ミスを無くすことから意識しましょう。
コツ②作業は単位ごとに行う
複線図を記載した後は、実際に施工を始めるわけですが、その際に大切なのが作業を単位ごとで行うことです。作業を単位ごとに行うことで、段階を踏みながら正確かつ効率的に施工を進められます。
第一種電気工事士技能試験における作業を単位ごとに分けると以下の通りです。
No | 単位ごとの作業 |
---|---|
1 | 複線図を記載する |
2 | 電線の切断 |
3 | 電線の加工 |
4 | 電線と器具の接続 |
5 | 電線同士の接続 |
作業をバラバラで行った場合、施工したものと施工してないものとの管理が難しくなります。また、同じ長さの電線を2組作ったり、間違えて電線を接続したりするミスにもつながるので、作業は単位ごとにわけてまとめて行いましょう。
コツ③練習の段階で時間管理を覚える
第一種電気工事士の技能試験は、試験時間が60分と定められています。そのため、練習の段階から60分以内に施工を完成させられるよう対策するのが大切です。
当たり前のことですが、練習の段階で時間内に施工を完成させられないのであれば、本番で完成させられる可能性も低くなります。
また、日頃から時間管理を意識的に徹底することで、施工しながらペースが速いか遅いかといった体内時計ができるのもメリットです。実際の現場でも時間が決められた施工が多いので、時間に間に合わせるコツは技能試験の段階で把握しておきましょう。
技能試験本番でおすすめの時間管理例については後述します!
コツ④作業ごとの欠陥しやすいポイントを覚えておく
第一種電気工事士技能試験の合否の判断基準は、欠陥なく施工を完成できているかどうかです。そのため、施工を完成させていても欠陥があれば、不合格となります。
欠陥は場合によってリカバリーできますが、時間を消費するので焦りや不安に直接つながるのがデメリットです。だからこそ、欠陥をしないよう日頃の段階から意識して施工しましょう。
おすすめなのが、作業ごとの欠陥しやすいポイントを把握しておくことです。例えば、VVFの被覆を剥く際は、心線が見えると欠陥になるので力を入れすぎないように注意するといったイメージになります。
欠陥の内容は、電気技術者試験センターにも公表されており、かなり詳細に基準が設けられているので試験前に確認して練習の段階で意識しながら施工しましょう。
コツ⑤何があっても焦らない
先ほど、欠陥しないために作業ごとの欠陥しやすいポイントを意識して施工することが大切だと解説しました。ただ、どれだけ気をつけていてもミスをするときはあります。
その際に大切なのが、焦りすぎないことです。不合格になるかもしれない、時間が間に合わないかもといった気持ちは分かりますが、ミスをした際はまず状況を整理しましょう。
致命的なミスをした場合はどうしようもありませんが、電線の長さやリングスリーブの刻印などを間違えた場合はリカバリーできる可能性があります。
ミスをしたからと焦るとリカバリーする際にミスを繰り返しやすいです。日頃の練習の成果を発揮できれば合格できるので、落ち着いて施工することを徹底してください。
02.第一種電気工事士の公表問題から分かる押さえたい3つのポイント
電気技術者試験センターにて公表された令和5年度「第一種電気工事士技能試験の候補問題」についてポイントとなるのは、以下の3つです。
- 第二種よりも押さえるポイントが増えただけ
- 候補問題の繰り返し施工は引き続き有効
- ストリッパーなどの道具に頼るのも有効
以上のポイントを徹底的に解説します!
ポイント①第二種よりも押さえるポイントが増えただけ
第一種電気工事士の技能試験の難易度は、第二種よりも高くなります。ただし、かなり難しくなるわけではなく、第二種の基本的な内容に高圧の範囲が少し加わっただけです。
そのため、第一種電気工事士の技能試験は難しいから相当頑張らないと合格できないといった先入観は最初に捨てておきましょう。
むしろ第一種電気工事士の合格率は、例年筆記試験の方が低い傾向なので、筆記試験に合格できた段階で大きな壁はすでに超えています。
第二種電気工事士で施工した内容は素早く正確に、新しく登場した範囲は間違えず丁寧に施工することを意識すれば、問題なく合格する力を身につけられるでしょう。
ポイント②候補問題の繰り返し施工は引き続き有効
第二種電気工事士の技能試験と同様、第一種電気工事士でも候補問題を繰り返し施工することは有効な対策の手段です。
そのため、2〜3周の施工を目安に候補問題を繰り返してください。
というのも、第一種電気工事士の技能試験は第二種と同様、事前に公表される候補問題の中からランダムで1問出題される形式です。
施工条件などは異なりますが、配線図が変わることはないので、技能試験日までに候補問題を繰り返し施工することで合格に直接つながります。
先ほどご紹介した5つのコツを意識しながら、全10問の候補問題の施工を繰り返し実践しましょう。
ポイント③ストリッパーなどの道具に頼るのも有効
第一種電気工事士の技能試験では、第二種で登場しなかったケーブルが登場します。例として挙げられるのは、KIPやCVVといったケーブルです。
これらのケーブルは、外装が剥きにくい特徴があります。電工ナイフで被覆を剥くこともで可能ですが、ストリッパーなどを活用して時間短縮を狙うのも1つの方法です。
実際、プロの現場でも作業を効率良く進めるためにストリッパーは積極的に活用されます。電工ナイフでの施工にこだわりすぎる必要はありません。
数千円単位での投資になりますが、作業時間と正確性で大幅な効率アップにつながるため、今よりも素早く施工を進めたいといった方は購入をご検討ください。
03.【実践例】第一種電気工事士の試験時間の使い方
第一種電気工事士技能試験における試験時間は60分です。60分以内に欠陥なく施工できていると試験に合格できます。
そのため、試験時間を意識しながら施工を完成させましょう。筆者が実際に受験した際の試験時間の管理例は、以下の通りです。
試験時間 | 行動 |
---|---|
0分~5分 | 電線の切断 |
5分~20分 | 電線の切断 |
20分~30分 | 電線の加工・器具との接続 |
30分~40分 | 電線の圧着 |
40分~45分 | 結線の確認 |
45分~60分 | 欠陥の確認・手直し |
60分 | 試験終了 |
上記は目安なので、この通りに施工する必要はありません。ただし、遅れ気味になると施工が間に合わなくなる可能性があるためご注意ください。
また、施工が遅れ気味になると焦る気持ちからミスを誘発しやすくなります。1つ1つの作業を素早く丁寧に行う意識を忘れないようにしましょう。
まとめ
本記事は、第一種電気工事士技能試験の施工を時間内に完成させるための5つのコツと候補問題から分かるポイント3つを解説しました。
難易度は第二種よりも高い第一種電気工事士の技能試験ですが、対策の方法や試験の出題形式は第二種の時と変わりありません。
そのため、候補問題を2~3周繰り返し施工することで、自然と合格する力が身につきます。
本記事でご紹介した5つのコツを意識して、効率良く技能試験を対策しましょう!
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